第4回 インタビュー  松本  晃(まつもと あきら)さん

選手の方々にご協力を得て、インタビュー形式で掲載しています。
第4回目は、日頃から大阪障害者スポーツ指導者協議会会長として、選手の指導をされ、また、この10月に開催された、全国障害者スポーツ大会で大阪府選手団の副団長を務められた松本
(まつもと あきら)さんにインタビューさせていただきました。

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Q1 全国障害者スポーツ大会を統括して(印象に残っていること・感想)
(来年の秋田大会に今年の経験から望まれることはありますか?)

選手は日ごろの練習の成果を存分に発揮して、すごく頑張っていたと思います。
ただ、会場が競技によって離れていたことが原因だと思いますが、応援する方や、観客が少ない会場があり(特にサッカー競技)、もっとたくさん観戦していただける環境であれば、選手はもっとやる気になってくれたのではないでしょうか。
せっかくの全国大会ですから、選手団だけでなく観客も含めてもっと盛り上がりたかったです。

大阪府選手団については、スタッフがまじめに取り組んでいるのはよくわかったのですが、ちょっと硬い雰囲気がありましたね。
夕食の時などは、食事時間ということだけでなく、楽しく話をするなどして選手の緊張をほぐしたり、疲れを癒したりという時間にすれば、大阪府選手団としてもっとまとまれたのではなかったかなと感じました。
大阪府選手団は素晴らしい記録や成績を挙げたのですから、最終日には分宿しているメンバーも集まってみんなで盛り上がりたかったですね。
それと兵庫県のスタッフやボランティアさんとの交流の時間がもっとあればよかったとも思いました。

もうひとつ感じたのは、この大会は従来から大阪府・大阪市とわかれて選手団を構成していて、さらに今年からは政令市となった堺市も独自で選手団を構成されました。
選手の中で、私は大阪府選手団がいいと言っても、堺市在住の人にはそれは叶わない。
やっぱり、オール大阪がいいのではないでしょうか?それでこそ大阪パワーを全国に知らしめることができると思います。

Q2 障害者スポーツ指導員になられた(障害者スポーツに携われるようになった)きっかけは?

きっかけはスキーですね。
社会人スキー部に所属して練習を積み重ねて、うまく滑れるようになったころ、部の会長から指導員の資格を取得してはどうかという助言をもらいました。
スキーが大好きだったので、皆さんに楽しさを伝えることもおもしろいのかなと思い、指導員検定を受検しました。
資格取得にあたり、実際にスキー教室が行われている現場に行って指導することにより単位を取得するということだったので、大阪府スキー連盟が開催されていた教室に参加させていただきましたが、大阪の団体という地域性もあり、開催回数が少なく、単位が少し足りませんでした。
そんな時、大阪市(長居障害者スポーツセンター)でスキー教室を開催されるということを知り、確認すると指導スタッフが不足しているということでした。
単位取得のため(動機が不純ですかね・・笑)、障害者スキー教室に参加させてもらいました。
その教室で障害のある方が素晴らしい滑りをされているのを見て、すごく感動しました。今まで自分が知らなかった世界を体験することができて本当にうれしかったことを覚えています。
翌年からは単位取得のためではなく、ひとりの指導者として、障害のある方にももっとスキーを体験してほしいという気持ちから、自主的に参加させてもらいました。
それをきっかけに水泳教室などにも参加し、長居障害者スポーツセンターのスタッフと親しくなり、日本障害者スポーツ協会が障害者スポーツ指導員の養成研修を開催される情報をいただきました。そして受講、指導員となった訳です。

Q3 普段の活動はどうされていますか、また、活動を通して指導者の立場としてどんなことを感じておられますか?

主に水泳競技や陸上競技に参加しています。
最近感じることは、どの競技についても同じですが、アスリートの高齢化が進んでいるということです。
トリノパラリンピックにおいても、ベテラン選手が多かったでしょ。
ずっとトップの位置におられるということも素晴らしいことですが、障害者スポーツの更なる普及には、若年層への指導・育成を行ない、活躍してもらうことが大事ではないでしょうか。
大阪府の選手団の中でも、知的障害の若い選手は元気があって、みんなにいい影響を与えてくれましたよね。

Q4 振興協会に望まれることはなんですか?

障害者スポーツ指導に専門的な知識を持つスタッフが継続して在籍してもらいたいですね。
そして私たち大阪障害者スポーツ指導者協議会や他の団体とも、協会の理事会等だけでなく、いろんな場面において情報・意見交換を行える環境があればいいと思います。
それと、地域においてみなさんが気軽に参加できる教室などを開催してもらいたいですね。 我われ協議会も協力を惜しみませんよ。(笑)
障害者スポーツの普及のため、もっと親しみやすい存在になってほしいですね。

Q5 これから障害者スポーツをはじめようとする人や、指導員になりたいという人へのアドバイス

 障害者スポーツ指導員に興味のある方はまずはスポーツ教室などに参加してみてください。そして体験してみてください。
指導員養成講座への参加や資格の取得はその後でいいです。
私もそうでしたが、今まで知らなかったすばらしい世界や感動がありますから!

松本さん、ご協力ありがとうございました。

-次回は、1月に掲載予定です。お楽しみに!-